わたぽんの気持ち箱

紡がれる言葉たち

2024-01-01から1年間の記事一覧

制度論の構図_pp.29-39

第二章 パーソンズにおける秩序問題 盛山によれば、「組織を市場の一種として理解するかそれとも市場とは異なる組織それ自体の固有の特性を認めるかという対立」(本書、p.29)について考えるために、パーソンズの試みについて整理することが有用である。尤…

制度論の構図_pp.10-28

ここで、「取引コスト・アプローチにおける企業の存在理由の説明の仕方が、内在的にも首尾一貫しないものであること」(本書、p.12)を指摘するために、新制度学派による取引コスト・アプローチの特徴について、本書は指摘する。議論の展開がやや分かりづら…

制度論の構図_pp.1-10

盛山和夫『制度論の構図』(創文社、1995年) 制度とは何か。本書はこの問いに対して決定的な解を提示しようとするものではなく、ありうべき答え(方)の概略について示そうと試みるものである。 第一章「制度という問い」は、そもそもこの問いがどのような…

「客観性」論文_[6]と[11]

マックス・ウェーバー(訳: 富永祐治・立野保男)『社会科学と社会政策にかかわる認識の『客観性』』(岩波文庫、1998年) 友人*1との読書会を通じて、先日記事を書いた*2[6]と[11]についての思考が進んだため、補足として記しておく。 [6] [6]の主張の一つ…

「客観性」論文_[10]-[11]

マックス・ウェーバー(訳: 富永祐治・立野保男)『社会科学と社会政策にかかわる認識の『客観性』』(岩波文庫、1998年) [10]省略。 [11]長いため引用はしない。 p.44「というのも、つぎのことは、あくまでも真であるからである。」の前後の論述がどのよう…

「客観性」論文_[1]-[9]

マックス・ウェーバー(訳: 富永祐治・立野保男)『社会科学と社会政策にかかわる認識の『客観性』』(岩波文庫、1998年) なお、本書で傍点による強調がされている箇所について、強調の引用までは本稿では行わない。それとは関係なしに、私が必要と思った箇…